この記事を書いているのが6月ということで、個人事業主の方は住民税の決定通知書と納付書が届く時期かと思います。
税金の納付手段は、クレジットカードやインターネットバンキング、ダイレクト納付、○○payなどの電子マネーによる「キャッシュレス決済」が可能となっていて、銀行に行かずともスマホ等でどこでも簡単に納付でき、かなり便利になってきています。
ですが、キャッシュレス決済のうち、○○pay支払いに落とし穴があります。
今回はpaypayでの決済時の注意点についてご紹介したいと思います。
目次
そもそも住民税とは
個人の住民税は、去年の所得に対して都道府県と市区町村から課税される税金です。1月1日に住所を有している個人に均等割額と所得割額の合算額が課税されます。都道府県と市区町村はあわせて徴収されます。
2023年に納付書が届いた住民税は、「令和5年度」となっていますが、令和4年の所得を基準に計算されたものとなっています。(前年度所得課税主義といいます)
会社が提出した「給与支払報告書」や、個人事業主の「確定申告書」などの資料から、都道府県及び市区町村が納税額を決定して一方的に納付書を送ってくる税金です。このような仕組みを「賦課課税方式」といいます。
反対に、所得税や法人税など、自分で申告納付を行う税金は「申告納税方式」といいます。
住民税の徴収方法
住民税の徴収方法は、普通徴収と特別徴収があります。
普通徴収とは
普通徴収とは、個人事業主やフリーランスの方などに対する徴収方法です。
住民税の決定通知書と納付書が例年6月に住民税の決定通知書と納付書が本人宛に届きます。
第1期~第4期に分かれていて、それぞれ年間の住民税を4分割して納めます。通常、納期限は6月・8月・10月・翌年の1月末日です。一度に全期分をまとめて支払うこともできます。
※納期前納付の報奨金という前納した場合の割引制度は存在しますが、ほとんどの地方公共団体で廃止されているようですので、一括で払っても納付が安くなることは少ないようです。
特別徴収とは
一般的な会社員であれば、会社が給与から天引きして社員の代わりにまとめて納付してくれますので、会社員の方が納付書で納付するということは基本的にはありません。5月に会社に住民税の決定通知書と納付書が届きます。これを会社が原則として毎月10日に納めるというものです。
この仕組みを特別徴収といいます。特別の事情がない限り会社は従業員の方から住民税を特別徴収をする義務があります。
住民税のキャッシュレス決済納付
今回の住民税のキャッシュレス決済納付は、「普通徴収の個人住民税」がテーマです。
なので、基本的には個人事業主・フリーランスの方が対象のお話しにはなります。
キャッシュレス決済の方法(○○pay以外の支払方法)
地方税お支払いサイトへログイン
令和5年度の4月から、地方税お支払いサイトというものが新しくできました。
地方税お支払いサイトにログインし、納付書に印刷された「eL-QR」というQRコードを読み取るだけで簡単に納付手続きを済ませることができるようになっています。(Googleで開けない場合には、safariなどのブラウザで開いてみてください。)
「eL-QRでお支払い」をクリックすると、納付の選択肢が現れますので、それぞれの手続きに進むことがができます。
paypayの決済の場合
paypayの場合、「請求書払い」から、先ほどの「eL-QR」というQRコードを読み取り、paypay残高から納付することができますが、このpaypay残高について、注意点があります。
paypay決済の落とし穴
paypayで納付する場合の落とし穴があります。
「paypayマネーライト」では住民税などの税金は納付できません。
現在「paypayマネー」か「あと払い」でないと納付できませんのでご注意ください。
「paypayマネー」とは
「paypayマネー」は出金可能なpaypay残高の事です。
本人確認後に銀行口座やセブン銀行ATM、ローソン銀行ATMなどでチャージした残高の事です。チャージした金額を銀行口座に出金(払い出し)することも可能です。
「paypayマネーライト」とは
「paypayマネーライト」はpaypayカードやpaypayあと払い、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いを利用してチャージしたpaypay残高の事です。
本人確認を行っていなくても、クレジットカードやソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いを経由してpaypayをチャージして利用できますが、チャージした金額を出金することができません。
「paypayマネーライト」と「paypayマネー」の違い
「paypayマネーライト」と「paypayマネー」の違いですが、私自身、paypayの仕組みのすべてを知っている訳ではありませんので、厳密な違いはともかくとしまして、paypay上で本人確認(マイナンバーカードや運転免許証による確認等)を行っているか否かが大きな違いです。
「paypayマネーライト」しか使えない状態の方は、納付のためにチャージしないようにしてください。
つまり、一度paypayマネーライトの残高に換えてしまうと、基本的に2度と現金化できないのでpaypayマネーライトが使える他の支払いで消費していくしかありません。(日常でpaypay支払いが多い方はあまり問題ないと思います。
今回の住民税納付についても納付ができませんので、使用できないpaypay残高を持て余すことになります。(実際に私もこの罠にかかり、paypay消費を余儀なくされました。)
paypayマネーのほか、「あと払い」という決済方法も可能ですが、paypayカードの登録が必要ですので若干面倒です。
まとめ
以上、住民税のキャッシュレス決済についてお話ししました。
paypay以外の納付でもう1つ注意点があるとすれば、クレジットカード納付は手数料が結構高いので、よほど還元率が高いカードでないとポイントがついても手数料で還元効果が薄れるのでその点も注意すべきポイントです。
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この記事を書いた人
税理士/ファイナンシャル・プランナー/元資格の大原法人税法非常勤講師(2019年~2024年の5年間)
1982年生まれ
平成31年3月 税理士登録
2021年3月に独立 筒井一成税理士事務所を川崎市宮前区にて開業
2024年3月 事務所を世田谷区等々力に移転
現在世田谷区等々力を拠点として活動中。主に法人の顧問や相続のご相談をお受けしています。
ブログでは役に立つ税金の情報などを中心に発信していきます。
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