法人の相談事例

ホーム » 法人の相談事例

個人事業主ですが、法人設立を考えています。個人と法人、税金面でどちらがいいのか?

個人事業主で得た利益は事業所得又は雑所得となり、個人は所得が高くなればなるほど税率が高くなる累進課税(5%~45%の7段階+住民税は一律10%)です。
法人で得た利益は法人税等の課税対象の所得となり、所得税ほど細かく分かれていませんが、所得400万円以下、所得400万円超800万円以下、所得800万円超で分かれており、所得の大きさによって約24%~37%の税率が適用されます。
法人から役員報酬を得れば、個人の所得税や社会保険料がかかりますので、役員報酬の設定額を考えていく必要があったり、税金面で良い方を選択するのは各個人の状況によってケースは様々です。
個人事業主の場合と法人の場合の両方のケースを想定し、実際にシミュレーションしていく必要があります。

長期間休眠させていた会社を稼働させることになり、去年より自分で経理を行って確定申告をしました。しかし、経理が不慣れだったこともあり、ある別の方から申告済みのものも含めて税理士に一旦全部見てもらった方が良いとの助言を受けました。

去年ご自身で行った決算書を拝見したところ、複数年にわたって減価償却費としなければならないものを修繕費としていたり、会計基準に従っていない部分が多々ありました。

一度確定した決算は修正することができませんので決算書の数値は修正せず、正しい計算をやり直した結果、修正申告となりましたが、経費にできるものが計上されていなかったので是正したり、今後につながる修正となりましたので今回過去を洗いざらい直したのは良い結果となりました。

妻と子どもはおりますが、事業を引き継ぐ者はおりません。現在居住している土地を含め、法人所有の資産があります。今後相続が発生した場合を想定し、法人をたたむ準備をした方がいいのか、それとも存続させた方がいいのか悩んでいます。

事業を引き継ぐ人がいないのは今般中小企業の大きな問題となっています。
事業承継には様々な手法がありすぐに答えが出せるような簡単な問題ではありません。
手法としては、①会社の売却(M&A)、②会社の清算、③別事業を開始、④休眠などが考えられます。

①は、会社を買ってくれる人を探さなければならない問題があります。インターネット上のM&A専門業者など多数あるのでどこに依頼すればいいのか悩みどころです。
税理士会や日本政策金融公庫に事業承継のマッチングサイトがありますのでそちらから探すのも手です。
②の会社の清算ですが、黒字の会社で純資産がある場合、会社を清算する際に法人税が発生したり、株主が残余財産の分配を受けると所得税のみなし配当課税を受けてしまう、また、中小企業にありがちな、代表者からの借入金がある場合、会社の消滅に伴い債務免除益による課税が発生することもあり、清算のタイミングによっては多額の税額が発生するなど、課税関係がとても複雑です。

相続発生は予測できませんが、特に純資産が多い会社の場合上記の課税リスクを少しでも抑えるために早めに専門家に相談することをおすすめします。

会社を閉じる方法について。
2期連続赤字となり、立て直せる見込みはありません。会社には借金もあるため、返済めどが立っている今のうちに会社を閉じたいと考えています。どのような手続きをすべきか教えてください。

会社を閉じることを清算といいます。
清算する場合、次のような手続きの流れになります。

会社の解散⇒資産の売却や借金の返済、滞納税金の支払いなどの清算手続き⇒残余財産の確定⇒財産が残っていれば株主に残余財産の分配、残っていなければなし⇒法務局で清算結了の登記ですべての手続きが終了

法人税の確定申告をすべき時期ですが、会社が解散したら、2ヶ月以内、その後も清算事業年度(株式会社は解散日から1年ごと)終了の日から2月以内、最後に、残余財産確定日から1月以内(最後に分配をする場合はその日前日まで)に確定申告をします。最低でも2回(解散時・残余財産確定時)は確定申告の必要があります。

リゾートマンション中古物件一室を購入することになりました。この場合、会社で購入すべきか、代表者個人で購入すべきか迷ってます。

従業員がいる場合は福利厚生施設として使用すれば、諸経費を法人の経費にできますので、その場合は法人で購入したほうが税金的には有利になります。実際には代表者しか使っていないなど、実態が福利厚生となっていなければ、のちの税務調査で経費を否認されることがありますのでそこは注意する必要があります。使用実態を証拠として残しておくことをおすすめします。

数年前から売上が激減し、会社をたたもうと思っています。銀行からの借入金のうち一部を免除してもらうことになりましたが、弁護士から『債務免除益が発生するので税理士に相談したほうが良い』とアドバイスを受けました。債務免除益について教えてください。

債務免除益というのは、借金を返さなくていいという経済的な利益をえたことから、法人の利益を構成するものです。
法人は利益に対して課税されるので、この債務免除益には法人税がかかります。
したがって、債務免除益を発生させる場合には、いつ発生させるかの「時期」が重要となります。
発生させるベストな時期は会社の状況によって様々ですので税理士にご相談ください。

来月から給与計算を自社で行おうと思っていますが、中小企業向けのおすすめのソフトを教えてください。

会計ソフトを使っているなら、その会計ソフトと同じメーカーのものを使用すると、給与明細データをそのまま会計ソフトに連動して仕訳することができます。
幣事務所はメインで弥生会計をつかっているため、弥生給与のデータをインポートしています。