昨日川崎北税務署主催の新設法人説明会の講師を務めさせていただきました。
参加された方のご質問の中で、実務上の誤りやすい留意点をご紹介します。
新設法人の実務上の留意点
Q 飲食店を始めるにあたって賃貸物件に内装設備を施した場合、かかった金額は全部経費になるのか。
A 内装設備は、たとえば壁・天井造作、床造作、照明、応接セット、など、造作の種類ごとに区分して、それぞれの耐用年数(法律で決められている年数)で減価償却により年々、徐々に経費化されます。最終的には全額経費になりますが、経費になるスピードが遅いのが減価償却ということになります。
内装工事は支出があった年に全額を経費にすることはできません。工事の見積書等から内訳を確認しそれぞれ耐用年数を確認する必要があります。
Q 音楽関係者だが、国からの補助金を受けるための要件として、任意団体として税務署に収益事業開始の届出をしました。この任意団体は役員報酬を支払わなければならないか?
A 役員報酬を支払わなければならないという決まりはありません。ただし、支払うこととした場合、これらの任意団体は税法上は人格のない社団等として「法人」とみなされ、法人税が課税されます。
役員報酬については、通常の会社と同じように取り扱います。
役員に対する給与・賞与(ボーナス)の注意点
・毎月一定額を支給すること
・年の途中での改定は原則できないこと(会計期間開始の日から3ヶ月以内の改定は認められます)
・役員のボーナスは事前に税務署に届け出なければ経費として認めてもらえないこと
社長や取締役などの役員に対する給与・賞与は取扱いに注意する必要があります。